
親の介護で献身的に尽くしても、遺産相続では報われない。
仕事を休んだり、あるいは仕事を辞めたりして介護しても、いざ遺産相続となると、
あまり報われることはありません。
根本問題は、介護現場の実態です。
国の財政が苦しいこともあって施設介護じゃなく、今後は在宅介護が主流になると言われております。
被介護者(介護される方)自身の希望もあります。実は、施設に入ってしまうとどうしても個々の部屋に、引きこもりがちになり認知症が進行してしまうと言われております。特に、コロナの中で、面談も自由にできませんので、ますます認知症のリスクは高くなって
いきます。
サービスの行き届いた優良老人ホームに入ろうとすると大変なコストがかかります。また、こういう老人ホームと在宅医療との連携もあまり、うまくいっていないというふうに言われております。
一方、在宅介護の方も問題だらけです。核家族化の進行もあって独り暮らしの老人が、今後もどんどん増えていくと言われています。
また共働きが標準化いたしましたので 実際に介護しようとすると、仕事を休んだり仕事を辞めないといけないという状況になっています。
また遠隔介護、毎週末、帰省するコストも大変大きな負担になっております。
一方で、公的介護を担う各自治体、介護認定基準が財政状況の苦しいこともあって大変厳しくなっていると言われてます。
このように大きな負担の中、介護しても実際に遺産分割となるという場面では全く評価されていないというのが実態です。
令和2年の司法統計がございます。
裁判所の統計ですが、遺産総額に対する介護の寄与分(どれだけ頑張ったか)の評価、1割以下が53%!!
ほとんど評価されていない。いや全く評価されてないと言ってもいいんじゃないでしょうか?