エンディングノートの最重要項目三つ。終末期医療、相続放棄のための負債資産一覧。法定相続外での遺産相続


エンディングノートをなぜ書かないのか?

遺産相続などの死後の手続きの、負担を軽減するため本人でしかわからない情報を書き残すエンディングノートの必要性は多くの人が認識しています。

遺産相続の手続きが進まないと個人の遺産が凍結されてしまい、葬儀や埋葬の費用に使えないので、エンディングノートがあるかないかで大きな違いを生じます。

しかし、実際に書いている人が各種の調査で1割もいないという実態があります。その原因は、いつ書けばいいのか(ついつい先延ばししてしまう)、何を書けばいいのか(項目が多すぎる)に集約できるように思います。

エンディングノートはいつ書けばいいのか?

遺産相続をスムーズに進めるのが主な目的なので、相続税が課税されそうな人は、できるだけ早く書く必要があります。

資産内容が複雑で揉めそうな時、例えば居住している以外の不動産があったり、事業をおこなっているとき。事業用の資産や身上場株式がある場合は、専門家を入れて早めに遺産分割などについて合意しておくべきです。

そうでない人が早めに書いてしまうと、事情や気持ちが変わるごとに何回も書き直さないといけないので、あまり早くは、書かないほうがいいと思います。

逆に遅すぎると認知症や脳卒中、脳梗塞、心臓病等の急死リスクが出てきます。あるいは脳梗塞等や糖尿病の場合ですと認知症になるリスクが高いので書けなくなったり、有効性に疑問が出たりします。

自分でタイミングを判断するのは、非常に難しいのです。

そこで、提案ですが、生命保険に入れなくなった時というのが客観基準として適切なタイミングに近いと思います。

生命保険会社に聞けば保険に入れるかどうか無料で教えてくれます。割り増しなどがない普通の保険に入れるということは生命保険会社があなたのリスクは大丈夫だと思っているということです。

逆に普通の保険料率で保険に入れないということになると、あなたの死亡リスクあるいは認知症のリスクは、かなり高いという風に科学的に判断できるということです。

保険に入れなくなったら、観念してエンディングノートを書くべきです。

エンディングノートに何を書けばいいのか?

エンディングノートを買ってくると100ページ超えているものもあります。項目を絞り込まないととても書けないでしょう。

まず必要なものは終末期医療や認知症になった時の対処方法の希望です。遺族の精神的負担を随分軽くしてあげられます。

次に、重要なのは負債一覧です。相続する資産より負債の方が多いとき、相続放棄という救済制度があります。ところが救済を求めるためには、死亡後、3ヶ月以内に行わないといけないのです。

したがって、遺族に相続放棄した方がいいとアドバイスしたい時は、その旨と、負債や滞納税金などの一覧表を書いておくと、遺族を守ることができます。

住宅ローンで生命保険がついていないもの(リバース60など)は特に重要です。

第3番目に書いておくべきは、財産一覧です。遺産分割協議書を作るのが預金凍結を解除するために必要ですが、そのためには遺産の一覧が必要になります。

遺族が、金融機関に問い合わせて調べ上げるのは大変時間と手間がかかります。一覧があれば随分助かると思います。

法定相続割合での遺産相続を修正したいとき

自筆での遺言を作成することも可能ですが、死後に有効性や内容で紛争する場合が少なくないので、弁護士等に依頼して公正証書の遺言書を作成する方がいいと思います。

しかしながら、遺産額に比べ手数と費用が大きいと感じる人も多いと思います。その場合は、多く遺産を相続させたい人、例えば介護等で世話になった人を受取人にした生命保険を契約するのが、簡易な方法でオススメです。

法定相続の対象外になりますので、遺留分の請求も回避できます。また、気持ちが変わって変更したい時も受取人の変更するだけで、公証をやり直すなどの手続きも不要です。


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